コラム

サウジアラビアでイスラム教の在り方が大きく変化...日本人が見過ごす実態

2021年05月27日(木)17時07分

MBSは4月のインタビューで、サウジの法は国民の利益と国家の繁栄に寄与するだけでなく、国際的な規範に沿ったものであらねばならないとも述べた。ここ数年のサウジの変化は、これが単なるスローガンではないことを実証している。

3月に国連が発表した最新の「世界幸福度報告」でサウジはアラブ諸国中1位、世界全体でも21位につけた。特に生活満足度に関するデータに改善が見られ、17年からスコアが着実に上昇している。

エミレーツ幸福研究センターのルイーズ・ランバート博士は、サウジで起きている「大きな変化」が間違いなく国民の間に楽観的な感覚をもたらしていると指摘。特に女性は後見法の改正により車を運転したり、仕事に就いたりと多くの選択肢が生まれ、自己決定が可能になったことが本質的に生活の質を高めている、と分析する。

サウジの実質的な権力者とされるMBSはまだ35歳だ。そしてサウジ自体も人口の65%以上が30歳以下という非常に「若い国」である。原理主義国家という思い込みにとらわれず、変化する実態を注視することが肝要だ。

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プロフィール

飯山 陽

(いいやま・あかり)イスラム思想研究者。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(東京大学)。イスラム教という切り口から国際情勢を分析している。主著に『イスラム教の論理』(新潮新書)。

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