コラム

「金投資」黄金時代が続きそうな理由

2021年01月28日(木)19時10分

farakos-iStock.

<2年で1200ドルから2000ドルへ上昇したが、今後も堅調に推移する可能性が高い>

2018年後半に1トロイオンス=1200ドル台だった金価格は、2019年に入ってから一本調子で上昇を続け、2020年のコロナ危機をきっかけに上昇にさらに拍車が掛かっている。

2000ドル突破後は売られ、直近では調整が続いているが、多くの投資家が強気の姿勢を崩していない。

金価格に上昇期待が生じた最大の理由は、量的緩和策による低金利である。

量的緩和策は市場にマネーを大量供給し、金利低下とインフレ期待という相反する状況をつくり出す政策。アメリカや欧州は量的緩和策を既に終了しているが、過剰流動性と低金利は継続しており、株式市場では株高が、債券市場では債券高が発生している。

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本来、株式と債券は逆相関でありリスクヘッジの対象となるが、この状況下ではそうしたポートフォリオは組めず、機関投資家は十分なリスクヘッジができない。このためポートフォリオの一部を金などの実物資産に換える動きが続いており、金へのニーズは継続する可能性が高い。

コロナ危機によって各国の財政が悪化していることも追い風となっている。経済学の常識として、財政悪化は金利上昇とインフレを誘発するため、金は有力な投資対象となる。

金への投資は一般的に長期的なスタンスなので、目先の相場には影響を受けない。仮にインフレがそれほど進まなくても、金は堅調に推移する可能性が高いだろう。

<2021年1月12日号「2021年に始める 投資超入門」特集より>

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2022年5月31日号(5月24日発売)は「NATO vs プーチン」特集。北欧2カ国の加盟によるNATO拡大は「誤解」だが、ロシアは必ずしもそれを恐れない

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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