最新記事

中国

日本の自民党次期総裁候補を中国はどう見ているか?

2021年9月9日(木)12時44分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)
靖国参拝する高市早苗

靖国神社を参拝をする高市早苗総務相(当時、2017年4月21日) Toru Hanai-REUTERS

菅総理の次期自民党総裁候補断念の意思が発表されると、中国は一斉に反応し、特に中国共産党系の環球時報は矢継ぎ早に論評を出している。日中関係が関心の対象だが、中でも高市早苗氏に関する論評は度肝を抜く。

環球時報の菅総理辞任に対する反応

自民党の次期総裁立候補者に対する個別の論評を見る前に、まずは菅総理辞任に対する全体的な反応を見てみよう。

菅総理は「自民党総裁候補に立候補しない」と表明しただけだが、それはすなわち次期総理大臣候補には立候補しないという意思表示をしたに等しいと中国は位置付けており、ならば次の総理大臣には誰がふさわしいのか、また誰になった場合は、日中関係がどうなるかなどに関心の対象が絞られている。

そこでまずは、個別の候補者に対してではなく、菅総理辞任そのものに対する反応を見てみよう。

9月3日、中国共産党機関紙「人民日報」の傘下にある環球時報電子版「環球網」は、<日本の誰が菅義偉に取って代わったとしても、中国は全て対応できる>(=誰がなろうと中国は平気さ)という見出しの社評を掲載した。

それによれば、菅総理が総裁選を断念した理由として以下のように分析している。

●自民党のトップ人事の調整に挫折したため撤退しかない。

●最大の原因はコロナ対策の失敗。日本社会では、オリンピックの成功よりもコロナが猛威を振るう中、日本経済が低迷することに対する失望の方が大きい。

●自民党の新総裁・新首相には、岸田文雄元外務大臣、高市早苗前総務大臣、河野太郎行政改革担当大臣、石破茂元幹事長が有力視されているが、誰がなろうとも、日本は新たな政治的混乱の時代に突入する。

●日中関係が「軌道に乗った」と評価された2018年の最高潮から見ると(筆者注:2018年は安倍元総理が国賓として訪中し、一帯一路への第三国での協力を習近平に約束し、習近平の国賓としての来日を約束した年)、誰が自民党の新総裁になり首相になったとしても、日中関係の「大転換」は現実的ではない。

●なぜなら日本では嫌中感情が高まり、国際的に中国を封じ込めようとするアメリカの戦略が日本に強い引力を持っているからだ。

●しかし、2008年の北京オリンピック当時は日本のGDPはまだ中国を上回っていたが、2020年になると中国のGDPは日本の約3倍になり、中国の1年間の自動車販売台数は日本の5.5倍、高速鉄道の走行距離は日本の新幹線の13.7倍になっている。したがって日本は自ずと対中政策を慎重に考えざるを得ないところに追い込まれている。

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ワールド

アングル:中台どちらにつくか、ソロモン諸島で政府と

ビジネス

アングル:深センの不動産仲介業者が苦境に、市場冷え

ワールド

焦点:利下げに賭けるエルドアン大統領、インフレ進行

ワールド

オミクロン株、世界40カ国に拡大 米国では計10州

MAGAZINE

特集:文化大革命2.0

2021年12月 7日号(11/30発売)

習近平が主導する21世紀の共産主義回帰運動 思想統制を強め孤立主義に走る、その真意はどこに?

人気ランキング

  • 1

    大暴落の足音

  • 2

    「脳まで筋肉の柔道選手」と中傷された彼女が医学部合格を果たした、たった一つの理由

  • 3

    親の「赤ちゃん言葉」は幼児期の言語習得に影響する

  • 4

    子供が欲しかった僕は、女友達と恋愛抜きで子供の「…

  • 5

    半身を失った「ゾンビザメ」、10匹に共食いされてな…

  • 6

    一番人懐こいネコの品種は?甘え過ぎへの対処法は?

  • 7

    幸せな生活を突き詰めた結果、行きついた「核シェル…

  • 8

    今度はディオールの写真を「人種差別」と吊し上げた…

  • 9

    ビートルズ最高の作詞家がジョンではなく、ポールで…

  • 10

    ついにスパイダーマンの世界に殴り込み? 『ヴェノム…

  • 1

    「脳まで筋肉の柔道選手」と中傷された彼女が医学部合格を果たした、たった一つの理由

  • 2

    「米化」でブレイク オートミールにハマった人たちに起きた変化とは

  • 3

    半身を失った「ゾンビザメ」、10匹に共食いされてなお泳ぎ続ける:動画

  • 4

    子供が欲しかった僕は、女友達と恋愛抜きで子供の「…

  • 5

    大暴落の足音

  • 6

    一番人懐こいネコの品種は?甘え過ぎへの対処法は?

  • 7

    親の「赤ちゃん言葉」は幼児期の言語習得に影響する

  • 8

    最初から「失敗」が決まっていたクロエ・ジャオ監督…

  • 9

    茂みから出てきた野生ゾウがサファリカーを襲う瞬間

  • 10

    ビートルズ最高の作詞家がジョンではなく、ポールで…

  • 1

    【動画】リビングの壁を這う「猫サイズ」のクモ

  • 2

    一番人懐こいネコの品種は?甘え過ぎへの対処法は?

  • 3

    子供が欲しかった僕は、女友達と恋愛抜きで子供の「両親」になった

  • 4

    最初から「失敗」が決まっていたクロエ・ジャオ監督…

  • 5

    「脳まで筋肉の柔道選手」と中傷された彼女が医学部合…

  • 6

    「米化」でブレイク オートミールにハマった人たちに…

  • 7

    半身を失った「ゾンビザメ」、10匹に共食いされてな…

  • 8

    「可愛すぎて死にそう」ウサギを真似してぴょんぴょ…

  • 9

    大暴落の足音

  • 10

    あなたはいくらエクササイズしても痩せない 脂肪燃…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月