コラム

コロナ禍の東京五輪に、私たちが夢中になる理由

2021年08月02日(月)11時30分

■ステータス

人生とは、自分の地位をめぐる終わりなき戦いだ。子供は遊び場、スポーツ、学校のクラス、仲間内でヒエラルキーを作る。大人の社会も、階層によって成り立っている。

男性はあらゆる方法で栄誉や誇れる功績を手に入れようとする。ある研究によると、男性のテストステロンの値はチームや味方が勝つと上昇し、負けると下がる。これはゲームの参加者でもファンでも同じだ。

私たちのほとんどは「アルファ雄(群れのリーダー)」にはなれない。しかし、人間は本能的に自分の地位を上げようとする。そのため、私たちは意識的または無意識的にスポーツ界のヒーローと一体化し、彼らの地位や勝利や失敗を疑似体験するのだ。

■性的魅力

私たちは人間を合理的な存在と見なし、社会生活と性生活の間には明確な違いがあると考えている。だが、この認識も誤りだ。

私たちがサッカーやテニスのスター選手と自分を一体化させるのは、彼らが注目の的であり、内集団のアルファ雄(つまり群れの中で最も魅力的なリーダーの雄)であるからだ。

少なくとも私たちの潜在意識下では、彼らは繁殖パートナーを選べる雄だ。あらゆる人間の行動の背後には、生き残りたい、子孫を残したいという衝動がある。

五輪を含むスポーツの観戦は、本能的な行動に近い。だから危険なウイルスでも、幸福、帰属意識、地位、性的魅力を求める私たちを止められないのだろう。

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プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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