ニュース速報

ビジネス

パウエル氏は「危険人物」、ウォーレン議員が再任反対 公聴会で

2021年09月29日(水)11時26分

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は28日、上院銀行委員会で開かれた公聴会で証言を行い、FRBの取引を巡る内部規定や金融規制を巡る議員らの厳しい質問にさらされた。(2021年 ロイター/Kevin Dietsch)

[28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は28日、上院銀行委員会で開かれた公聴会で証言を行い、FRBの倫理観や多様性、インフレ見通し、金融規制などを巡る議員らの厳しい質問にさらされた。議員らはこれらの面でのFRBの不備を指摘し、さらなる行動を求めた。

また、エリザベス・ウォーレン議員(民主党)は、来年2月に任期が切れるパウエル氏の再選に反対票を投じると表明した。

ウォーレン氏は、パウエル氏がFRBを率いるには「危険な人物」と厳しい言葉を浴びせ、「あなたを再指名することは、米金融規制を緩和してきた共和党の(FRB)議長が、この経済を再び金融の崖に追いやることがないか賭けるようなものだ。私はそのリスクを取る価値があるとは思わない」と述べた。

前日には、金融商品への投資を巡り批判が高まっていたダラス地区連銀のカプラン総裁とボストン地区連銀のローゼングレン総裁が退任すると発表したばかり。

パウエル議長はこの問題を受け、FRB当局者の金融取引に関する規定の抜本的な見直しに着手したが、より厳しい対応を取るべきだったという批判は収まっていない。

銀行委のシェロッド・ブラウン委員長(民主党)は、FRB政策当局者による個別株の保有を禁止する法案の提出を計画していると明らかにした。

ラファエル・ウォーノック議員(民主党)は「中央銀行のイメージが著しく傷ついた」とし、パウエル議長に対しFRBの「公平性」を守るためにどのような措置を取っているか説明を求めた。

パウエル氏は「(FRB当局者が行った)投資が既存の規則に沿ったものだったとしても、規則そのものに問題があり、慣習と情報開示の改善が必要であることは明らかだ」とし、「これを機会に対処していく」と述べた。

スティーブ・デインズ議員(共和党)は、準民間機関である地区連銀の総裁を情報公開法の対象とし、総裁の行動に対する国民の監視を強化することに同意するかと質問し、パウエルは「検討」したいと応じた。

議員らはまた、インフレ率がFRBの目標である2%の約2倍で推移している状況を「一時的」と見なすパウエル氏の根拠に疑問を呈したほか、FRB高官の多様性を改善できていないと批判した。

ロバート・メネンデス議員(民主党)は、パウエル氏の在任期間中に高官ポストに就いているマイノリティーの数は「ほぼ」変わっていないと指摘した。

パウエル氏は、多様性は「優先度の高い」課題だとし、FRB理事に初めて黒人女性が任命されることを歓迎すると表明した。

公聴会では次期FRB議長を巡る議論が終始焦点となった。

ウォーレン議員は「誰もが認識している重要な問題はあなたがFRB議長として2期目も再指名されるかどうかだ」と指摘した。

バイデン政権はパウエル氏を再指名するかどうかや、理事の空席ポストなどに関してまだ発表していない。

ホワイトハウスはウォーレン議員の「危険な人物」発言に関してコメントを控えた。

投資調査会社エバーコアISIのクリシュナ・グハ副会長は、パウエル氏再任の可能性に対する信頼感はホワイトハウスから発表がないまま時間が経つにつれてやや低下し、地区連銀総裁2人の取引を巡る論争でさらに幾分弱まり、きょうのウォーレン議員の急所を突く「危険な人物」発言で急激に低下したと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ビジネス

アングル:米通信事業者の5G対応、「看板倒れ」の現

ビジネス

中国恒大会長、10年以内に新エネルギー車を主要事業

ビジネス

米上院財政委員長、富裕層向け所得税を提案

ビジネス

中国国家主席、石炭・電力の安定供給図ると表明=国営

MAGAZINE

特集:世界に学ぶ至高の文章術

2021年10月26日号(10/19発売)

ビジネスの現場でも「よい文書」は不可欠── 世界の共通するライティングの基礎とは

人気ランキング

  • 1

    カモメを水中に引きずり込むカワウソの衝撃映像

  • 2

    インドネシア、バド国際大会19年ぶり優勝でも国旗掲揚されぬ屈辱 その理由とは──

  • 3

    ヴィンランド・サガ? ヴァイキングがコロンブスより約500年早くアメリカ大陸に到達していた

  • 4

    イギリス人から見た日本のプリンセスの「追放劇」

  • 5

    ヒトに脳炎起こす、20センチの巨大カタツムリ 10年…

  • 6

    閲覧ご注意:ヘビを捕食するクモが世界中で確認され…

  • 7

    「自分たちらしく、時代に合ったものを」デュラン・…

  • 8

    日本のコロナ感染者数の急減は「驚くべき成功例」─英…

  • 9

    ピアニスト辻󠄀井伸行さんインタビュー…

  • 10

    映画『アメリカン・スナイパー』のネイビー・シール…

  • 1

    銀河系の中心方向から謎の電波源が検出される

  • 2

    カモメを水中に引きずり込むカワウソの衝撃映像

  • 3

    イギリス人から見た日本のプリンセスの「追放劇」

  • 4

    インドネシア、バド国際大会19年ぶり優勝でも国旗掲揚…

  • 5

    日本のコロナ感染者数の急減は「驚くべき成功例」─英…

  • 6

    岸田首相はDappi疑惑を放置して衆院選を戦うのか

  • 7

    世界一白い塗料がギネス認定 98%の太陽光を反射、…

  • 8

    ピアニスト辻󠄀井伸行さんインタビュー…

  • 9

    ヴィンランド・サガ? ヴァイキングがコロンブスよ…

  • 10

    地面に信号! 斜め上を行く韓国の「スマホゾンビ」…

  • 1

    薄すぎる生地で体が透ける! カイリー・ジェンナーの水着ブランドが炎上

  • 2

    中国バブルは崩壊する、だがそれは日本人が思うバブル崩壊ではない

  • 3

    イギリス人から見た日本のプリンセスの「追放劇」

  • 4

    中国製スマホ「早急に処分を」リトアニアが重大なリ…

  • 5

    イチャモン韓国に、ジョークでやり返す

  • 6

    銀河系の中心方向から謎の電波源が検出される

  • 7

    【独占インタビュー】マドン監督が語る大谷翔平「や…

  • 8

    アイドルの中国進出が活発だったが、もう中国からは…

  • 9

    地球はこの20年で、薄暗い星になってきていた──太陽…

  • 10

    なぜ中台の緊張はここまで強まったのか? 台湾情勢を…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中