コラム

世界が尊敬する海老蔵さん、白Tひとつでその凄さが分かった(パックン)

2021年08月05日(木)17時45分

新・團十郎が活躍する舞台は実に大きそうだ。歌舞伎を後世に残すため日本や地球の安定や存続にも貢献したい、「食糧難や気候変動をも意識して演劇を作っていく」と約束する。有言実行で環境問題に関するNPOも立ち上げている。

同時に「人間の思考の変革」を願い「愛を共有できる地球」を夢見る海老蔵さんはジェンダーの捉え方の変化にも敏感で、女性歌舞伎俳優の可能性も視野に入れている。

芸能人に政治・社会活動を期待する国柄のアメリカ人がこの活動を知ったら、確実に評価するはず。

なにしろアクター(役者)とアクティビスト(運動家)は同じ語源の派生語。ハリウッドの撮影現場で監督が「アクション!」というと、俳優たちは署名運動を始める......というアメリカンジョークが成り立つほどだ。

伝統を尊重しながら文化を進化させる。過去を未来につないでいく。そんな海老蔵さんはおそらくどこでも尊敬される。しかも、その思いを次世代にも伝授しているようだ。

対談の途中で息子の堀越勸玄さんも顔を出してくれた。歌舞伎の将来を背負う8歳はもうルーツを忘れない姿勢を受け継いでいる。憧れの役者は? と聞いたら「初代市川團十郎」と答えた。

素晴らしい! いつか、同じようなことを13代パックンが言ってくれますように。

Ebizo Ichikawa
市川海老蔵
●歌舞伎俳優

※この記事は2021年8月10日/17日号「世界が尊敬する日本人100」特集より。詳しくは本誌をご覧ください。


プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『大統領の演説』(角川新書)。

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