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生理休暇、意外にも日本女性は恵まれてる? なぜ欧米で普及しないのか

2021年06月18日(金)20時54分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

日本の生理休暇制度は、欧米でも例に挙がることが多い。もっとも、英紙ガーディアン米CNNでは、日本には制度があっても、上司や同僚に生理期間だと知られたくない人もいて実際は日本の女性たちはあまり利用していない状況だと伝えている。

ただ、このように詳しい実態を報じず、「日本には、すでに生理休暇制度があるんですよ!」という単にポジティブな意味合いで述べている記事が多い印象を受ける。

生理休暇制度に賛成の人たちの声

生理期間であることを他人に知られたくない女性は欧米にもいる。女友だち同士でさえ、生理痛がなかったり、ごく軽い人もいるので、重い症状の人にとっては話しにくい(相手に理解してもらいにくい)と感じるだろうし、生理期間であることをわざわざ話のネタにしなくてもいいと思う人もいる。

筆者自身も、仲のいいヨーロッパ人の女友だちであっても生理期間や生理痛を話題にすることはほぼ皆無だ。タブー視しているという意識はないのだが、結局は無意識のうちにこの話題を避けているのかもしれない。

ヨーロッパにも生理休暇制度があったらいいのにと思う女性はいる。英紙インディペンデントでは、経済と女性の権利に詳しいフリーライターのレイチェル・レーヴェースさんが、毎月の生理の間、休日を1日取れたらいいのにと述べている。

女性の生理期間は平均4~8日間だが、自分が求める生理休暇はたった1日なのだから無理な要求ではないはず、将来、企業の雰囲気が柔軟になればそれは無理ではなくなると主張している。ちなみに、レーヴェースさんはその記事をコロナ禍のテレワークのなかで書いており、生理痛があっても家で仕事ができることはとてもいいと感じている。

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スイス最大の週刊経済紙Handelszeitungには、こんなオンラインアンケートがあった。2021年6月15日時点の結果(255回投票)

筆者のスイス人の友人Lさんも生理休暇制度に賛成だ。40代のLさんは12歳で月経が始まって以来、重い生理痛を抱えている。7年前には子宮内膜症の手術を受けたそうで、その後も生理痛のひどさは変わらない。以前は鎮痛剤が手放せなかった。いまは横になったり熱いお風呂に入ったりすると少し楽になるので、鎮痛剤は緊急時にしか飲まないという。約10年間フリーランスとして働いてきて、どうしてもつらい日は働かないと決めている。

「フリーになる前、会社員だったころは男性上司から理解が得られないと思って、生理痛ではなく、いつも胃腸炎のためだと言って休んでいました。振り返ると、馬鹿だったと思います。女性の生理は現実のことだし、生理痛だと言わなければ偏見や無理解は変わらないですから。生理はもうタブー視すべきでないです。みんなが、生理は恥ずかしいことだと感じなくなるといいですね」

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